アウディ ジャパンは、新型「RS 5」とステーションワゴンの「RS 5 Avant」を2026年10月20日に発売しました。Audi Sportとして初めてのプラグインハイブリッド(PHEV)で、システム最高出力は470kW(639PS)、0-100km/h加速は3.6秒。価格(税込)はRS 5が1,550万円、RS 5 Avantが1,575万円です。
受注は9月29日の発表と同時に始まっており、全国のアウディ正規ディーラー127店舗(発表時点)で購入できます。この記事では、新型RS 5の仕組みと走りの特徴、装備、価格、そしてどんな人に向いたクルマなのかを整理します。

新型RS 5/RS 5 Avantの概要
新型RS 5は、プレミアムミッドサイズの「A5」シリーズをベースにしたハイパフォーマンスモデルです。これまでのRSモデルはエンジンの力で速さを追求してきましたが、新型ではV6ツインターボにモーターとバッテリーを組み合わせ、電動化技術を走りの性能向上に使っているのが最大の違いです。ボディは5ドアの「RS 5」と、荷室の広いワゴン「RS 5 Avant」の2種類。どちらもハンドル位置は右のみです。
| 車名 | アウディ RS 5/RS 5 Avant |
|---|---|
| 発表・受注開始 | 2026年9月29日 |
| 発売日 | 2026年10月20日 |
| パワートレイン | 2.9L V6ツインターボ TFSI+モーター(プラグインハイブリッド) |
| システム最高出力/最大トルク | 470kW(639PS)/825Nm |
| 0-100km/h加速 | 3.6秒 |
| EV走行換算距離 | RS 5:85km/RS 5 Avant:83km |
| 価格(税込) | RS 5:15,500,000円/RS 5 Avant:15,750,000円 |
欧州では2026年6月に発売されており、受注は当初の想定のほぼ2倍に達したとアウディは説明しています。日本では発売を記念して、東京都内の4か所で実車の展示も行われます(詳しくは後半で紹介します)。
デザイン:ワイドボディで「RSらしさ」を強調
外観の見どころは、ベースのA5から前後とも左右それぞれ45mm広げたワイドボディです。側面には大きく張り出したブリスターフェンダーが付き、真横から見ても普通のA5との違いがはっきり分かります。アウディは、往年の初代quattro(Ur-quattro)やラリーカーのAudi Sport quattro S1などから受け継いだデザイン要素を取り入れたとしています。

フロントまわり
フロントには立体的なハニカム構造のシングルフレームグリルを配置。ダークトーンのマスクがエアカーテンとひと続きになっていて、見た目だけでなく空気の流れも整えます。ヘッドライトはハウジングを暗い色にしたマトリクスLEDで、目元を引き締めています。フロントフェンダーの後ろにはエアベント(空気の抜け口)を設けています。
リヤまわり
リヤには縦のフィンが付いたディフューザーを装着し、中央には縦長の赤いリフレクターを置きました。レーシングカーを思わせる処理です。マフラーは左右に振り分けたダーククローム仕上げの楕円テールパイプで、ドライブモードに合わせて音が変わります。

なお、全長・全幅・全高・ホイールベース、車両重量といったボディサイズの数値は、発表時のプレスリリースには記載がありません。購入を検討する場合は、駐車場の幅などを販売店で確認しておくと安心です。
パワートレイン:V6ツインターボ+モーターで639PS
エンジンは改良を受けた2.9L V6ツインターボ TFSIで、可変ジオメトリーターボ(VTG)を採用し、単体で375kW(510PS)、600Nmを発生します。トランスミッションの手前に置かれたモーターは130kW(177PS)、460Nm。両方を合わせたシステム全体の性能は470kW(639PS)、825Nmです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| エンジン | 2.9L V型6気筒ツインターボ TFSI(VTG採用) |
| エンジン最高出力/最大トルク | 375kW(510PS)/600Nm |
| モーター最高出力/最大トルク | 130kW(177PS)/460Nm |
| システム最高出力/最大トルク | 470kW(639PS)/825Nm |
| トランスミッション | 8速ティプトロニック |
| 駆動方式 | quattro(四輪駆動) |
| バッテリー | リチウムイオン 25.9kWh(ネット22kWh) |
| EV走行換算距離 | RS 5:85km/RS 5 Avant:83km |
| EVモード最高速度 | 140km/h |
| 0-100km/h加速 | 3.6秒 |
| 最高速度 | 270km/h(リミッター)。オプション装着時285km/h |
| 充電 | 普通充電のみ(標準3kWケーブル。別売8kW充電器で最大8kW※理論値) |
EVとしても日常で使える
EV走行換算距離は最長85kmです。毎日の通勤や買い物程度ならエンジンをかけずに走れる場面も多いでしょう。EVモードでも140km/hまで出せるので、高速道路の合流で急にエンジンが始動する、といった心配も少なめです。
一方で、充電は普通充電のみで急速充電には対応していません。標準の充電ケーブルは3kWで、別売りの「e-tron Charging Kit Plus」(8kW充電器)を使えば最大8kWで充電できます。PHEVの良さを生かすには、自宅や勤務先で充電できる環境があるかが大切です。

走りの新技術:世界初の電動トルクベクタリング
新型RS 5で最も注目したいのが、四輪駆動システム「quattro」の進化です。ポイントは2つあります。
プリロード付きセンターデフ
Audi Sportとして初めて、プリロード付きのセンターディファレンシャルを採用しました。アクセルを戻して駆動力がかかっていない場面でも前後の車軸のつながりを保つため、コーナーの入口でアクセルを離したときにアンダーステア(曲がりにくさ)を抑え、ハンドルを切った方向へ素直に向きを変えやすくなります。
リヤの電動トルクベクタリング
後輪には、市販車で世界初となる電気機械式(エレクトロメカニカル)トルクベクタリングを組み込んだ「ダイナミックトルクコントロールquattro」を搭載しています。左右の後輪の間で最大2,000Nmのトルク差を一瞬で作り出し、アクセルを踏んでいてもいなくても、クルマの向きを積極的にコントロールします。
この装置は出力8kW、40Nmの400V水冷式モーターで動き、反応時間はわずか15ミリ秒。制御を担うコントローラーは、ハンドル角やアクセル開度、路面の滑りやすさの推定値などを5ミリ秒ごとに計算し、タイヤが滑り出す前に介入します。
従来のスポーツディファレンシャルは、タイヤが滑ったことを検知してから対応する仕組みでした。新型は「滑る前に予測して動く」方式に変わったことが大きな違いで、限界に近い走りだけでなく、雨の日のワインディングなど日常の場面でも安定感につながりそうです。
サスペンションとブレーキ
サスペンションは、従来のDRCに代わって、ツインバルブ式ダンパーを使ったRSスポーツサスペンションが標準です。縮むときだけでなく伸びるときの減衰力も電子制御し、加減速時の前後の揺れや、コーナーでの車体の傾きを抑えます。ブレーキでは、このクラスのアウディとして初めて、リヤにもセラミックディスクを選べるようになりました(21インチホイールの同時選択が必要なオプション)。
インテリアと装備

室内は、スポーツ走行のための機能と、日常の快適さを両立させた作りです。ハニカム模様のキルティングを施したSスポーツシートは、体をしっかり支える形状でありながら、電動調整とマッサージ機能を備えています。
標準はレザーフリー素材
標準仕様では本革を使わず、布や再生ポリエステルから作った素材やマイクロファイバー素材の「ダイナミカ」を、シートだけでなくダッシュボードやアームレスト、ドアの内張りにも使っています。本革が好みなら、オプションの「RSデザインパッケージ」(レッド、レッドプラス、グレー、サーペンタイングリーン)でファインナッパレザーのSスポーツシートを選べ、ヘッドレストスピーカーやシートベンチレーションも付きます。天井はどの仕様でもブラックです。
RS専用のハンドルとメーター
ステアリングは上下がフラットな形のRS専用品で、12時の位置にマーカーが入ります。ハンドルにはドライブモードの切り替えやブースト機能を操作できる「RSサテライトコントロール」を組み込みました。11.9インチのバーチャルコックピットプラスはRS専用表示で、回転数や車速に加えてシフトのタイミングを知らせる表示、G(横方向の力)やラップタイムも確認できます。これらはヘッドアップディスプレイにも映せます。
価格・グレード
| モデル | パワートレイン | システム出力/トルク | 駆動 | ハンドル | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| RS 5 | 2.9L V6ツインターボ+モーター | 639PS/825Nm | quattro | 右 | 15,500,000円 |
| RS 5 Avant | 2.9L V6ツインターボ+モーター | 639PS/825Nm | quattro | 右 | 15,750,000円 |
グレードはボディ違いの2種類だけで、性能は共通です。差額は25万円で、EV走行換算距離はAvantが2km短い83kmとなります。オプションは、RSデザインパッケージ、21インチホイール、リヤのセラミックブレーキ、最高速度を285km/hまで引き上げる設定などが用意されています。オプションの個別の価格は、発表資料には記載がありません。
発売記念の展示スケジュール
発売にあわせて、都内4か所で実車が順番に展示されます。購入前に実物のサイズ感やワイドフェンダーの迫力を確かめたい人には良い機会です。
| 期間 | 場所 | 展示車 |
|---|---|---|
| 10月20日~11月4日 | Audi City日本橋(日本橋髙島屋S.C.新館1階) | RS 5 |
| 11月5日~11月8日 | 阪急メンズ東京 1階コンコース | RS 5 Avant |
| 11月11日~11月15日 | 二子玉川ライズ ガレリア | RS 5 Avant |
| 11月19日~11月30日(24日・28日は休み) | Audi City銀座 | RS 5 Avant |
展示期間は変更される場合があるため、出かける前に各会場の情報を確認してください。
独自の考察:新型RS 5はどんな人に向いている?
「速いワゴン」を毎日使いたい人
RS 5 Avantは、家族の荷物を積めるワゴンでありながら、0-100km/h加速3.6秒というスーパーカー並みの性能を持っています。しかも85km近くEVで走れるので、平日は静かな電動車、週末はサーキットや山道を楽しむスポーツカー、という使い分けができます。1台で何役もこなせるのが、PHEV化した新型の大きな価値です。
旧型RS 5との違い
これまでのRS 5はV6ツインターボエンジンだけで走るモデルでした。新型ではモーターが加わったことで、低い回転からの力強さが増し、さらに電動トルクベクタリングで曲がる性能も大きく変わっています。「エンジンの音と力を楽しむRS」から、「電動化で走りの質を高めたRS」へと性格が変わったといえます。その一方で、バッテリーやモーターを積むぶん車両重量は増えていると考えられますが、正式な重量は発表資料に記載がありません。
購入前のチェックポイント
- 充電環境:急速充電に対応していないため、自宅に普通充電設備を用意できるかが重要です。8kWで充電したい場合は別売の充電器が必要です。
- 駐車スペース:A5より左右45mmずつ幅が広くなっています。機械式駐車場の幅制限は事前に確認しましょう。
- ボディの選び方:性能は同じなので、荷室の使い方で選べばOKです。スタイル重視ならRS 5、荷物や家族での使用が多いならAvantが向いています。
- オプション:リヤのセラミックブレーキは21インチホイールとセットでしか選べません。サーキット走行の予定があるかどうかで判断するとよいでしょう。
まとめ
アウディ新型RS 5/RS 5 Avantは、2026年10月20日に発売されたAudi Sport初のプラグインハイブリッドです。2.9L V6ツインターボとモーターで639PS・825Nmを生み、0-100km/hは3.6秒。市販車で世界初の電動トルクベクタリングやプリロード付きセンターデフで、曲がる性能も大きく進化しました。最長85kmのEV走行もでき、毎日の使いやすさとRSらしい速さを両立しています。価格はRS 5が1,550万円、RS 5 Avantが1,575万円。急速充電に対応しない点や車幅の広さを確認したうえで、まずは都内の展示や販売店で実車をチェックしてみてください。
